最近よくモンテッソーリ教育って言葉をきくけど、子どもに自由なことをさせて結局子どもがわがままになったり、しないのか心配。
そもそも、日本のように団体行動を重視している慣習や文化、教育カリュキュラムの中でモンテッソーリ教育は通用するの?
おそらくこの記事を読んでくださっているみなさんは、上記の内容を心配している、後悔したくないと思っていると方がほとんどだと思います。
私自身もそうですが、自分の子どもに幸せになってほしい、成功してほしいと願っています。
この記事では、モンテッソーリ教育が日本でも本当に通用するのか、オススメできる教育法の1つなのかを答えていきたいと思います。
結論から答えますと、日本でもモンテッソーリ教育はオススメできます。ただ、日本の伝統的な教育とは全く違った部分もあるので、日本の文化的な部分はやはり親として我が子に教えた方が良いと思います。1. モンテッソーリ教育を通して子どもはわがままになる?
答えは、わがままになりません。モンテッソーリ教育ではルールも道徳的なこともしっかり学びます。
そのため、子どもの周りにいる大人がわがままな態度を子どもの前でしている、子どもがわがままな態度をとった時にしっかりと教育をしてない、または見逃している、そんなことが起きていない限り子どもはわがままにはなりません。
そもそもなぜ子どもがわがままになるという誤解があるのか?
それは、モンテッソーリ教育の方針にあります。
子どもは何かを繰り返すことが得意であり大好きです。その繰り返し何かを行っている中で、大きな学びを得ます。
例えば、子どもがボールを下に落として、上から下にボールが落ちる動きのある教具を繰り返し行っているとします。
ボールを落としたら下に落ちた。という学びを何度も経験します。それがゆくゆくは、上から落としたものは下に落ちる。そうです。あのりんごの逸話で有名なアイザック・ニュートンの「万有引力の法則」を学ぶことができます。
あくまでこれは1例にすぎませんが、子どもはくり返し行動をする中で学びます。
それに気づいたモンテッソーリ教育法の生みの親である、マリア・モンテッソーリは子どもが集中して何かに取り組んでいる間は、他の兄弟や友達がその教具を使おうとしたら一緒に使うことを拒否しても良いとしました。
その理由は、集中している瞬間こそが、全ての学びの始まりであり、邪魔をしてはいけない大切な瞬間だからです。
私の働いているモンテッソーリ教育を行っている学校でも、子どもたちは一緒におもちゃや教具を使いたくなかったら、お友達に対して拒否ができます。その決断を私含め、他の先生全員でサポートします。
「今、〇〇くんがそれ使っているから待たないとね。待っている間、他のおもちゃみつけようか?〇〇なんかはどうかな?」
など拒否されて悲しくなるところを先生が全力でサポートします。
ここまでの話を聞いて、「えっ…だからそんなこと認めちゃったら、うちの子わがままになっちゃうよ」と思ったかたもいるかもしれません。
私自身も、2~6歳のクラスだけを担当している時はそんな心配が頭をよぎりました。
しかし、その考えが一蹴されたのが小学部と中学部の学生のお手伝いをした時のことです。
課題やプロジェクトをする際、ほとんどの場合子どもたちは友達と一緒に取り組むことを好みます。そして、困っている友達に対して、自分の持っているものを貸したり、助けようとしたりしていました。
あれ?なんでそんな変わっちゃたの?子どもの中でなにが起きているの?と最初はびっくりしましたが、子どもの成長過程に焦点を当てれば理解がし易くなります。
子どもの成長過程の変化
第一に、幼少期の子どもにとって、自己の存在、そして他者の存在を完全に理解し、何かを共有するということは非常に難しいことです。なので大人の私たちにとってはわがまま、自己中心的な行動に見えますが、あくまで成長過程のなかでは普通のこと、当たり前なことです。
それから、6歳ぐらいで世の中にはルールが存在することを学びます。5~7歳の子どもがルールを破った子に対して、怒ったり、行動を正そうとしたりすることを見たことはありませんか?それは、子どもたちの中で、ルールを守るということが絶対的なものになっているからです。
ルールを学んだ頃から、子どもは他者と自分の間に信頼関係を築きます。貸したものは返ってくる、自分が困っている時に助けてくれたから相手のことを助けたいなどの感情、信頼、社会性が生まれます。
以上のことをまとめると、幼少期の子どもにとって「共有する」「他者と一緒に何かに取り組む」ということを理解することはとても難しいです。しかし、ルールを学び、周りと信頼関係を築くことで社会性を身につけることができます。このことから、モンテッソーリ教育を通してわがままになる、自己中心的な性格になるということはありません。
日本のような団体行動を大切にしている慣習や文化で適用できるの?
結論は、モンテッソーリ教育の子ども中心の考え方をベースにしながら、団体行動の大切さを伝えないと子どもが辛い時期が出てくる可能性がある!です。
私は、米国のモンテッソーリの学校に勤務しています。アメリカと日本では慣習、文化的な違いがあります。様々な人種が入り混じった米国では、見た目や考え方などが多少違っていても比較的理解してもらい易いことがあります。
しかし日本では、相手の意見を尊重する、チームワークの大切さなどが重視されるので、それらを子どもに伝えることも大切な教育となります。
ここで多くの人がモンテッソーリ教育と日本の文化的な考え方との矛盾を感じてしまいます。しかし、それらの矛盾だと感じてしまうポイントも以下のことを意識すれば回避できる可能性が高まります。
コミニケーションを行う
子どもとしっかりとコミュニケーションを行う
お母さんとお父さんのチームワークを家庭内で見せ、さらには子どもに一緒に参加してもらう
子どもが興味のあるスポーツを習う。オススメはチームワークを学ぶことができる団体競技
子どもとしっかりとコミュニケーションを行う
例えば、お母さんは5時に帰って夕飯の支度をしたいとします。
しかし子どもは公園でもっと遊びたいという状況。
「子どもに何時に帰ろっか?」と尋ねて、
子どもが5時と答えたとします(時計の勉強をしてない場合は別の答えがあるかも)。
「そっかー。〇〇は5時まで遊びたいんだね。でも、お母さん家族みんなのために美味しい夕飯の準備したいんだよね。だから5時だと少し遅いかなー。4時30分なんかどうかな?」
このように、子どもと一緒に物事を決めることを多くすることで、自分の意見の伝え方や折り合いの付け方などが学べます。モンテッソーリ教育が子どもベースだから、親が我慢しないといけないのではなく、伝え方を意識し、子どもを尊重しながら伝えることが大切です。
ここで絶対にやっていけないのは嘘をついたり、できないことを約束しないでください。子どもは信頼を大切にしているので約束を破られると大人が想像する以上に傷つきます。
また、育児の面白くて難しいのがこちらが歩み寄っても100%上手くいくとは限らない。笑
先ほどの公園の例だと、事前にお約束したのに時間になりました。
「お約束したでしょ?」
「いやああああああああ」
なんてことも。笑
それでも忍耐強く、コミニケーションをとっていくことが子どもの成長に繋がると信じて頑張りましょう。
お母さんとお父さんのチームワークを家庭内で見せ、さらには子どもに一緒に参加してもらう
子どもにとって家庭が最初の社会性を学ぶコミュニティになります。子どもができそうなことをお願いし、それをやってくれたら感謝の気持ちを伝えるだけです。
過剰な褒め言葉は一切必要ありません。純粋に感謝を伝えるだけで十分です。
もし、子どもがお金の計算などを理解できる年齢であれば、お金のミーティングを月1回家族内で行い、子どもにも参加をしてもらうことをオススメします。金銭感覚やお金の知識を身につけるのにうってつけの機会です。
子どもが興味のあるスポーツを習う
オススメはチームワークを学ぶことができる団体競技!
スポーツを行うことは科学的にも良いことだと認められています。子どもが興味のある団体競技があればぜひ背中を押してサポートしましょう。
団体スポーツは自分と異なった考えややり方を学ぶチャンス、たまには理不尽な経験をするかもしれませんが、それも人生の学びとなります。子どもが習い事を始まる前に、よほどの理由がない限り半年は頑張ってみようか。など期間について相談することも個人的には良いかなと思います。
まとめ
モンテッソーリ教育を行って子どもがわがままになるというのは全くの誤解です。
チームワークの大切さを周りにいる大人がしっかりと見本として見せることで子どもはその経験を吸収し、学ぶことができます。
私自身が考えるモンテッソーリ教育の良さは子どもが幸せになり、親も幸せになることだと考えています。どんどんモンテッソーリ教育を家庭内でも取り入れてみてください。
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